はじめに: 「とげとげSubD」をあらゆるサーフェスに

以前公開した「とげとげSubDボール」チュートリアルへの反響から、今回はさらに汎用性の高い「とげとげSubDサーフェス」の作成方法をご紹介します。「長方形のサーフェスでも片面だけでできる?」「波打つサーフェスでも?」といった疑問への答えは「Yes」です。しかし、そのためには考え方の転換が重要。「とげとげボックス」という固定観念を捨て、「とげとげサーフェス」という発想でアプローチしましょう。このワークフローは、RhinoとGrasshopperを使ったプロシージャルなデザインの可能性を大きく広げます。

ボックスではなく「サーフェス」から始めるロジック

従来の「ボックスから始める」アプローチでは、意図しない結果になることが多々あります。このチュートリアルでは、まず単一のサーフェスからスタートします。このサーフェスをDivide Surfaceコンポーネントなどで細かく分割し、多数のポイントを生成することが第一歩です。次に、それぞれのポイントに対応するSurface Normal(サーフェス法線)を抽出することが鍵となります。法線はサーフェスに対して垂直な方向を示すベクトルで、これを基準に「とげ」の向きを決定します。このロジックは、平坦な面でも、湾曲した面でも、波打つ面でも一貫して適用可能です。

GrasshopperとWeaverbirdでスパイクを生成する

抽出した法線ベクトルを利用して、各ポイントにシンプルなジオメトリ(例えば、小さなボックスや円錐)を配置・方向付けします。ここで重要なのが、GrasshopperのOrientコンポーネントなどを使って、法線方向にジオメトリを向けることです。生成された個々のスパイク状のジオメトリをメッシュ化し、Weaverbirdプラグインの力を借ります。特にWeaverbird's Mesh ThickenWeaverbird's Catmull-Clark Subdivisionなどのコンポーネントを使うことで、とげとげした形状にSubDのような滑らかな質感を付与できます。この手順により、単なる粗いスパイクではなく、洗練されたSubDスタイルの表面が生まれます。

広がる応用範囲: 装飾から建築ファサードまで

このシンプルながら強力なワークフローは、装飾的なオブジェクト、プロダクトデザイン、さらには建築ファサードのスタディなど、多岐にわたる応用が可能です。プロシージャルに生成されるパターンが、元のサーフェスの形状に自然に追従するため、様々なデザインアイデアを素早く試すことができます。RhinoとGrasshopperを学習中の皆さんにとって、この「サーフェス法線に基づくとげとげパターン生成」は、ぜひツールキットに加えたい有効なテクニックとなるでしょう。