RC機体の軽量化と3Dプリントの可能性
大型RC飛行艇の製作において、構造の軽量化は常に大きな課題ですよね。従来のFDM 3Dプリントでは、シェルとインフィルを組み合わせた構造が一般的ですが、さらなる軽量化と高強度を両立させるアプローチとして注目されているのが、Bambu Studioなどのスライサーで利用できる「Spiral Vase mode(スパイラル花瓶モード)」です。このモードは、リトラクションを最小限に抑え、ストリングの発生を抑制し、結果として印刷品質の向上、印刷速度の高速化、そして何よりも超軽量な構造を実現します。
スパイラル花瓶モード向け構造設計の要点
スパイラル花瓶モードを最大限に活用するには、特殊な構造設計が必要です。本ケースでは、外殻、内殻、そして内部補強材の全てを0.45mmという均一な厚みで設計しています。特に重要なのは、内殻と外殻の間に配置される二つの正弦波状のウェブです。これらは特定の箇所でシェルに接触し、中央では互いに非常に接近しますが、スライサーが別々の輪郭として認識できるよう、わずかな隙間(約0.001mm)を意図的に設けます。この巧妙な設計により、断面全体が単一の連続した閉ループとして認識され、スパイラル花瓶モードでのスムーズなスライスが可能になるのです。
複雑な胴体形状へのパラメトリック適用:課題と目標
この画期的な構造コンセプトは、比較的シンプルな翼安定板で既に成功が確認されています。しかし、RC飛行艇の胴体のように、断面形状、曲率、テーパー、シェル間隔が連続的に変化する複雑なSubDモデルに対して、これをパラメトリックに適用するのは大きな挑戦です。目標は、0.45mmのシェル厚、正確なシェル接触点、そして連続的なスパイラル花瓶トポロジーと水密性を保ちながら、Rhino 8とGrasshopperで堅牢なワークフローを構築すること。手動設計は可能でも、パラメトリックな自動適用が課題です。
Grasshopperでの具体的なアプローチ
現在のアイデアは、まずSubD胴体から複数の断面を生成し、それらから内殻と外殻を作成します。次に、これらのシェル間にパラメトリックな正弦波状の補強構造を生成するステップが肝となります。この際、シェルとの接触点を正確に制御し、全体が単一の連続した閉ループとして認識されるよう、幾何学的なルールをGrasshopperで実装する必要があります。例えば、断面カーブをオフセットし、その間にGraph MapperやSine関数を使って正弦波状の補強材を生成し、LoftやSweepで3D形状に変換するアプローチが考えられ、この複雑な要件を満たすロジック構築が成功の鍵です。
