構造設計の現場では、複雑な形状の建物が増えるにつれて、設計の意図を保持しつつ解析モデルへ変換する作業が大きな課題となっていますよね。

今回ご紹介するのは、Rhino/Grasshopperのパラメトリックな設計能力と、Pythonスクリプト、そして構造解析ソフトウェアCSI SAFEの強力な連携による、画期的な自動化ワークフローです。

パラメトリック設計の力: GHでの構造要素定義

まず、設計の起点となるのはGrasshopperです。ここでは、建物の形状、特に複雑な床版やスラブの形状を、パラメトリックに定義していきます。例えば、RectangleCurve コンポーネントでフロアの輪郭を作成し、Extrude で厚みを持たせたり、Boundary Surfaces で複雑な平面形状を生成したりします。さらに、Divide CurvePoint on Curve を使って柱や梁の配置グリッドを動的に定義し、構造フレームやコア、開口部なども、設計条件に応じて自動生成できるロジックを組み込むことが可能です。

これにより、設計変更があった場合でも、パラメーターを調整するだけで、瞬時にモデル全体が更新されるメリットを享受できます。手動での修正作業はもう必要ありませんね。

Pythonブリッジが解析を加速: GHからSAFEへ

Grasshopperで作成された精緻なジオメトリデータを、構造解析ソフトウェアCSI SAFEへ直接渡すのが、カスタムPythonスクリプトの役割です。このPythonブリッジは、Rhinoのジオメトリファイル(例えばRhino 3DMファイル)を解析し、スラブ、梁、せん断壁、開口部といった構造要素を識別します。

そして、CSI SAFEのOAPI(Open Application Programming Interface)を利用して、これらの要素をCSI SAFEの解析モデルへと自動的にマッピングするのです。手動で解析モデルを作成したり、データを入力したりする手間が一切なくなるため、エンジニアは構造最適化や高レベルな設計検討に集中できるようになります。

自動FEA解析とリアルタイム検証: 設計最適化

この自動化パイプラインの最終段階では、CSI SAFEが本領を発揮します。Pythonスクリプトは、設計で定められた荷重条件や組み合わせを自動的にCSI SAFEに設定し、FEA(有限要素解析)ソルバーの実行までを自動で行います。

解析が完了すると、たわみ、せん断力、曲げモーメントなどの解析結果がコンタープロットとして自動生成され、視覚的に確認できるようになります。この一連のプロセスが自動化されることで、設計変更後の検証サイクルが劇的に短縮され、リアルタイムに近い感覚で設計の妥当性を確認し、最適化を進めることが可能になります。

まとめ: 自動化が拓く構造設計の未来

Grasshopperのパラメトリックなモデリング能力と、Pythonによる自動化、そしてCSI SAFEの強力な解析機能を組み合わせることで、複雑な構造設計における課題を解決し、設計プロセスを大幅に効率化できます。手作業によるミスを減らし、設計の自由度を高めながら、より短期間で最適な構造解を導き出すことが可能になるでしょう。ぜひ、この先進的なワークフローをあなたのプロジェクトにも取り入れてみてくださいね。